アフリカ在来知の生成とそのポジティブな実践に関する地域研究


生業知ユニット 在来農業班


 この班では、農業に関する在来知の生成に関して科学知との対応、生業技術の知、食品加工利用技術の知についての調査・研究をおこなっています。

研究活動


    今後の例会等の予定は決まり次第お知らせします。


これまでに開催した例会



☆生業知ユニット・関係知ユニット合同例会
・日時:2007年10月18日(木)13:30〜17:00
・場所:京都大学ASAFAS・工学部4号館4階 資料室II(AA462号室)
・発表者およびテーマ(敬称略):
 川瀬 慈(日本学術振興会特別研究員、京都大学ASAFAS)
  「エチオピア音楽・芸能の新たな可能性」
 <発表要旨> 先月ワシントンDCにおいて行ったエチオピア音楽・芸能の調査と映像上映に関する報告を行う。メリーランド、ボルチモア、DCを含めたメトロポリタン・エリアのエチオピアン・ディアスポラの数は20万人にのぼるといわれている。祖国エチオピアを離れた脈絡におけるエチオピア音楽・芸能の担い手たちの活動を事例に、異なる文化的要素の相互関係の中で「エチオピア像」が形成される過程について考える。そして今後の研究活動の方向性を示したい。

 宮田寛章(京都大学ASAFAS)
  「エチオピア西南部高地における農業の概観 〜高度差と土地利用という二つの比較軸を用いて〜 」
 <発表要旨> エチオピア西南部高地には家屋を取り囲むように発達した庭畑でのエンセーテを中心とした根栽作物栽培とその外側の空間で行われる穀類栽培を組み合わせた農業を行っている地域が広がる。発表者はこのような地域の一つであるアリの居住域のうち、マーケットを共有する近接した高度の異なる二つの村において、それぞれの農業の特徴についての調査をおこなった。標高1600〜1700m程度の中高度域では、庭畑においてはエンセーテのほかにヤムやタロの栽培がおこなわれ、また穀類畑においてはとうもろこしの二期作とソルガムの栽培が中心におこなわれる。こ れに対して標高2500m程度のより高度の高い地域では、庭畑においては専らエンセーテの栽培がおこなわれ、穀類畑においては大麦、小麦、ソラマメ、エンドウマメの栽培がおこなわれる。発表では高度差と土地利用(庭畑と穀類畑)という二つの比較軸を導入し、土地・労働時間配分、生産性などに留意した生態人類学的アプローチをもちいて、これらの地域の農業システムの特徴について概観する。さらにはコーヒー栽培の増加、土地の細分化、学校教育などに関する近年の社会的変化とシステムの変容についても検討したい。

○生業知ユニット・在来農業班 第1回例会
・日時:2008年5月8日(木)10:30〜
・場所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)・
    総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階 新第一講義室(AA470)
    ※アクセスはこちら
・発表者およびテーマ(敬称略):
 佐々木綾子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科/日本学術振興会特別研究員)
 "Transformations of Land-use and Forest Resource Management in 'Miang Tea Gardens', Northern Thailand"

発表要旨(※本発表は英語での発表となります)
  タイ北部山地にみられる発酵食用茶「ミアン」の生産を目的とした伝統的な林内チャ樹園、いわゆる「ミアン林」は、原植生に近い多層森林構造を維持できることから、森林と調和的で持続的なアグロフォレストリーと評価されてきた。しかし近年における社会構造変化に伴うミアン林利用の動向と、生業としての経済的評価は十分行われてこなかった。長期的な社会経済分析は、「ミアン林」の持続性評価のみならず、タイ北部森林景観の将来的予測にも貢献が期待される。本研究では、1970年代の調査資料の残るミアン生産村において、過去30年にわたる生業の変容とその要因を明らかにするとともに、生業変容に伴う慣習法による土地利用慣行ならびに個人の資源用益権に関する概念の変遷を分析した。
  その結果、1980年代前半には道路などのインフラ整備に伴いミアン生産と労働人口流入の拡大が進行したが、その後は市場の縮小に伴い生産規模、人口ともに減少し、村の経済状況は急速に衰退したことが明らかとなった。しかし2001年から始まったタイの緑茶ブームを契機としてミアンから飲料茶生産への転換がはかられ、村民主導の直接出荷経路の構築がこの転換をさらに加速した。このような生業の変容に伴い、慣習法において個々のチャ樹に限定されていた個人の用益権の範囲は、作物導入の場としての土地自体にまで拡大され、他作物への転換も視野に入れた慣習法変容の可能性が認められた。このようなミアン生産村内部の変化は、今後のタイ北部山地の森林景観の維持にも影響を及ぼす可能性を指摘した。









 

更新日: 2008年4月25日 | 作成者: 事務局